2014アニメベスト10を選んでみた

どうも、あいたんです。先日投稿した記事が思わぬ反響を呼び、嬉しい限りです。
 

2014アニメを振り返ろう!

前回は2014年おすすめの曲やアーティストを紹介したので、今回は2014年に放送・放映されたアニメ作品の中から10作品だけお気に入りを選び、ランキング形式でまとめてみました。では、さっそくランキングに行ってみましょう!
 
 

第10位 弱虫ペダル

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放送クール:2013秋2014冬春秋
画面を見ていてあまりに自然なので、自転車が所々CGで描かれていることに気付かなかった人もいるのではないでしょうか。本作の肝と言える躍動感溢れるレースシーンは、CGを要所で駆使することにより実現されています。寄り気味のショットでは手描きを用い、引きだったり、集団を描くときはCGを用いるといった使い分けが巧みに行われています。同じカットの中に手描きの自転車とCGの自転車が映っていることもあり、よく見ないと両者の区別がつかないほどクオリティが高いです。個性の強いキャラクターも本作の魅力で、巻島と坂道の関係だったり、荒北のエピソードだったり、男臭くて良いなと思います。筆者は心の中に一本筋が通っている御堂筋が好きです。
 
 

第9位 ソードアート・オンラインⅡ

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放送クール:2014夏秋
1期の俺TUEEEEEEな展開とは打って変わって、2期はシノン、ユウキといった女の子をモチーフに描かれた物語。新たな女の子のキャラを登場させ、そこに焦点を当てて話を展開するというオムニバス的な手法は、女の子を投入し続ければ永久に持続可能であり、原作者川原礫のコンテンツ力の高さが窺えます。また、画像のエレベータ内のカットなど、エヴァ好きの伊藤智彦監督ならではの演出がちらほら見られ、個人的にポイントアップです。2クール目のED「シルシ」では、アスナが涙をこぼす表情をアップで長回しするといった大胆な演出が見られました。このような、本編では絶対に見ることができないキャラクターの一面を見せるというのは、OP・EDでこそできる表現ですし、キャラに厚みが出て魅力が増します。2014ベストEDだと思います。
 
 

第8位 天体のメソッド

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放送クール:2014秋
『Kanon』で知られる久弥直樹氏原案・脚本のオリジナルアニメ。このアニメはとにかく脚本が洗練されていて素晴らしい。注目すべきは必要最小限に留められた台詞回し。以前詳しく記事にしましたが、キャラクターの表情や話の展開によって感情を表現し、感情を台詞で説明するということを徹底的に避けていることがわかります。そして、そのような脚本であっても台詞の意味(キャラクターの感情)が伝わるように、きちんと脚本として成立させている迫井政行監督を筆頭とする演出陣もGOOD。EDアニメーションの江畑諒真氏による一人原画も反響を呼びました。ただ、細かい演出の丁寧さと対照的に、全体的なストーリー構成に少々違和感があり、そこだけが悔やまれる惜しい作品でもありました。
[http://nikkech.com/2014/12/anime/post-665/]
 
 

第7位 Wake Up, Girls!

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放送クール:2014冬
山本寛監督によるオリジナルアニメ。復興をテーマとして、アイドルをモチーフにロジックで構造を組み立てているのが読み取れる良作。WUGを仙台の地方アイドルとして位置付けたのは、所謂聖地巡礼やライブ・イベントなどを通して、単純に東北に人を集めるという意味もありますが、それ以上に作品内におけるメインストリームであるI-1クラブとの対比という意味合いが大きいのではないかと思います。WUGというアイドルグループは、社会の中心に近いI-1と違って、何もしてなかったら忘れ去られてしまうような存在ですよね。現に震災のことも社会にとって大した話題ではなくなっていて、現地人でない我々は3月11日になって思い出すような状態ですし、そういう逆境に向かっていく姿を表現したかったのではないでしょうか。また、筆者は、作品というのはある種のオナニー的な部分があって、作り手の素直な想いが反映されているべきだと考えているのですが、ヤマカンはそこをきちんとやってくれる人なので好きです。アイドルオタクの描写が本作におけるヤマカンらしさだと思っています。
 
 

第6位 ハナヤマタ

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放送クール:2014夏
「よさこい部」を舞台に、少女達の繊細な感情をこれでもかと描き切った作品。ゆるふわな雰囲気漂うキャラクターとは裏腹に、見ているこちらの心が痛くなってしまうほどのシリアスな展開。キャラクターがそれぞれ悩みを抱えており、それを仲間と時にぶつかりながら、共に少しずつ克服していくといった構成でした。些細なきっかけで崩れてしまいそうになる友情関係や忘れられない人前での失敗など、過去のトラウマを思い出して気が重くなってしまいそうですが、それらの苦悩を決して強いとは言えないまでも、時には目を逸らしながら、けれども最後には真正面から向き合い乗り越えていこうとする少女達の姿に感動しました。吉田玲子氏の温かみある脚本は、繊細さを売りにした本作に良くマッチしていて適任でした。
 
 

第5位 たまこラブストーリー

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放映時期:2014春
TVシリーズ『たまこまーけっと』は、全話まるまる本作のための伏線でしかなかったのではないか。山田尚子監督が本当にやりたいのはこういうことなんだろうなと、そう思いました。『けいおん!』という作品において、女子高生の日常を描いてはみたものの、おそらく監督自身には物足りない部分があったのではないでしょうか。タイトルに「ラブストーリー」とつけて、なおかつ中身もド直球の恋愛もので……というのは、現在萌え豚量産特化型制作会社と化している京アニにとっては、かなり攻撃的な試みだったのではないかと思います。まず、自身のやりたいことを貫いたその姿勢を評価したいですね。今となっては2次元の女の子たちを眺めてデュフデュフしている筆者でさえ、中学生くらいの頃の気持ちを思い出して、なんだか顔が熱くなってしまうような、そんな青春が詰まっていました。
 
 

第4位 THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!

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放映時期:2014冬
TVシリーズ『THE IDOLM@STER』を経ての劇場版。演出・作画面で言えば錦織監督コンテによるライブシーンがとにかく素晴らしい。広いアリーナ全体をくまなく駆け巡るようなアニメならではのカメラワークで、アイドルたちの魅力が余すことなく引き出されています(前回の記事「2014のアニソンを振り返って」にてもう少し詳しく取り上げています)。TVシリーズとは異なり広い会場でのライブであったため、3DCGも駆使した映像となっていました。「アイドルとは何か」という問いに対する答えが見えてくる、アイドルアニメの中でも特別な一本。
 
 

第3位 楽園追放 -Expelled from Paradise-

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放映時期:2014秋
先日、ようやく見てきました。京田知己氏演出による空中戦を、CGを駆使して画面いっぱいに表現したエンターテインメント色の強い本作。エンタメ作品を得意とする虚淵氏も本来の強みを発揮し、勢いを大切に伸び伸びと脚本を書いている印象を受けました。ですが、これは単なるエンターテインメント作品ではありません。”すごい”エンターテインメント作品なのです。「人が電脳世界で生活している」また「そのような電脳世界からの脱出、肉体の獲得」というのは、2006年の『ゼーガペイン』をはじめ昔からSFではよくあるネタだし、アンジェラやフロンティアセッターの決断を通して描かれる「自己同一性を獲得して未知の世界に飛び出す」みたいなテーマも基本的なものなのですが、それ以上にこれは3Dでやったということに意味がある作品ではないでしょうか。3Dの新しい表現は未来を描くという本作のテーマにピッタリで、映像の方法がまさに登場人物が持っているテーマと重なり、何故かかっこいい戦闘シーンで涙が流れそうになりました。
 
 

第2位 SHIROBAKO

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放送クール:2014秋2015冬
P.A.WORKS、堀川社長曰く

という作品。理想と現実、希望や苦悩、様々な想いが渦巻くアニメ業界の”今”を覗くことができるアニメファン必見の作品。制作進行、アニメーター、声優などなどアニメ業界で働く新人達の夢や不安、また、作品を作るために挫折や衝突を繰り返しながらも最後はそれがアニメという喜びにつながっていく制作の過程が、主人公である宮森あおいを中心に描かれています。本作を見ていて筆者が強く思ったのは、一つの作品ができるということが、それ自体ですでに奇跡なんだということです。この作品に関しては、演出・作画論、また脚本等で語ろうとしなくても、筆者の心に届いた、個人的にとても価値のある作品です。おいちゃんかわいい。2クール目も期待しています!
 
 

第1位 キルラキル

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放送クール:2013秋2014冬
新進気鋭のスタジオ、トリガーによるオリジナルアニメ。劇作家中島かずき氏によるハイテンポ・ハイテンションな脚本に、今石洋之監督によるコミカルな演出・作画、さらにド迫力な澤野弘之氏の音楽(「2014のアニソンを振り返って」にて解説あり)が組み合わさった、サービス満載の超絶エンターテインメント。抽選で当たったポスター、ちゃんと自宅に飾っています!
本作のテーマを読み解く鍵は「服を着た豚」「服に着られる」といった、人間が服の奴隷となっているという位置づけの表現。服というのは本来人間が自分の意思で選んで着るものであるはずですが、本作の世界では往々にしてそうではありません。学園の生徒は階級ごとに決まった極制服を着せられ、全世界の人々はREVOCS社が作った服を着せられ、物語の終盤では流子も意に反して「純潔」を着せられます。そんな自分の意思で何かを選び取ることを忘れてしまった世界……21話「未完成」で、流子は着せられていた「純潔」を自分の命を危険に晒してでも脱ごうとする。自分が着たいと思う「鮮血」を着るために。つまりこれは、最初は周囲の状況に”流”されるばかりだった”流”子が、自分の血を”流”せるようになるという成長物語です。流子はその時、自分の血を流してでも、自ら決断し、選択したのです。
 
 

総評

近年の傾向として、劇場版に力を入れる作品が増えてきたように感じます。見てもらえた分だけ確実にお金を回収できるという点で、やっぱり優秀なビジネスモデルなんでしょうか。例えば来年も、ノイタミナは『サイコパス』を手始めに、「ノイタミナムービー」と題して伊藤計劃氏の『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』を立て続けに劇場アニメ化。さらには、長井龍行監督の新作映画も公開予定です。その代りに現在のノイタミナ枠が1つ減ってしまうということで、少々残念な気もします。今年の『楽園追放』のヒットによって、オリジナルアニメや原作ものでもアニメとしての価値を特に高く設定した作品は映画でやる、という流れが今後さらに加速しそうです。
一方で、オリジナル作品が増えてきているのは非常に良い傾向ではないかと思っています。オリジナルをやるというのは、原作ものではできないこと、つまり独自に表現したいモチーフやテーマを持っていなければできないと思います。そういった作品は、作り手のやりたいこと・見せたいことが少なからず盛り込まれているので、より個性が強く、筆者に強い衝撃を与えてくれる作品がたくさん生まれるのではないかと期待しています。
 
2014年のアニソンについてもまとめたのでよろしければこちらの記事もどうぞ。
[http://nikkech.com/2014/12/music/post-1837/]
SHIROBAKO 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

[http://nikkech.com/biography/post-3935/]