転職のまとめ(2) 転職後1年半、雑感
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こんばんは、あいたん(@aitanprpr)です。
前回に引き続きまして、私の転職経験について振り返りたいと思います。今回は、転職後1年半が経過した現状について、思っていることをまとめていきます。かなりプライベートな内容だったり、転職した業界が特殊だったりするので、あまりみなさんの参考になるかはわかりませんが、こんな人もいるのかって思ってもらえれば。
【経歴を振り返る】
最初に、私の経歴について簡単にまとめておきます。
■2015年3月 国立理系大学大学院修士課程修了
■2015年4月 社員2万人、売上5千億円程度の大手メーカーに開発職として入社。約半年間の研修の後、ある商品の開発チームに配属。1年間勤務していく中で、仕事への行き詰まりと、好きなことにチャレンジしたいという想いが強まる。
■2016年10月 アニメ制作会社へ転職。制作進行としてとあるTVアニメ作品の制作に携わり、4本(4話数)を担当。現在、次の作品が動き始めるまで、1ヶ月間の休暇中。
【転職によって得たもの・失ったもの】
まず率直に言って、自分にとってこの転職は成功だったなと、そう思っています。それは主に、”目に見えない報酬”の部分で、です。「仕事には目に見える報酬と目に見えない報酬がある」というのは前回の記事で紹介した「働くひとの心理学」で説明されている通りです。仕事でステップアップしていくということを考えてみるとそれは当然のことなんだけれど、当時の自分にとってはこの考え方が新鮮で、大変参考になるものでした。
目に見える仕事の報酬として”給料”というのはまず当然のものとしてありますが、それ以外に、仕事に取り組む中で身に付けられる”スキル”だったり、スキルが身に付いていくと今度はやりたい仕事を選べるようになり、”仕事そのもの”が報酬になったりする、という考え方です。
■転職で得たもの
1本のアニメを作っていくうえでどのような工程があるか、また各作業者さんがどのような作業をしているのか、ということがわかってきました。
アニメの制作進行のステップアップとしては、主に演出(監督)方面とプロデューサー方面があるのですが、自分は今後演出になりたいと思っています。アニメの制作工程を理解していくことで、今後演出になるために必要なスキルや今の自分に足りない部分というのが見えてきました。
前の職場では、「やりたくないことをやらされている」みたいな義務感で仕事をしていました。なので、職場の人間とプライベートな繋がりを持ちたいという気持ちはほとんど湧きませんでした。自分には余暇の時間のみが大事で、なるべく休みの時間は会社の人間とは関わらないというスタンスでした。また、自分の関心事がアニメというごく限られた分野だったというのもあって、周りの人たちに引け目を感じていた部分もあったと思います。
自分が本当にやりたい分野に転職してみると、そこに集まってくるのは少なくとも自分と同じ方向性を持った人たちなので、心を開いた状態でコミュニケーションができると感じています。
転職の記事で、お前は何をバカなことを言ってるんだ、と思うかもしれませんが、意外とこれはあるかなと思っていて。これは②のおまけみたいなものだと思うんですけれど、同じ方向に向かっていこうとする人たちの中には、なんとなく気が合う人が見つかるもので。前の仕事をしているときは、常に周りに嘘をついているような状態でコミュニケーションをしていたので、当然そんな自分に自信を持てるわけもなく、誇れるのは高い給料くらいなものでした。
素直に自分を表現できる場があるっていうのは、今の自分は正真正銘の自分なんだっていう実感に繋がるし、それだけで価値があるなと思います。その結果、というと少々強引ですが、30手前にしてようやく人生で初めての彼女ができました。
どうやら1年後くらいに、演出をやらせてもらえるチャンスを頂けそうです。逆に言うと、そのチャンスを活かせるだけの努力を今のうちからしておかなければいけませんが。これは自分にとってはとてもありがたいお話で、演出になるまでに5年くらいかかるかなと思っていたので、なんとしてもつかんでいきたいと思っています。
■転職で失ったもの
前の会社では、ボーナスや残業代を加味すると月額で40万以上はもらっていたと思いますが、大体半減しました。
前勤めていた会社では、大半の人が定年まで同じ会社にいるのが当たり前でした。アニメ業界では、50代60代で現役で演出やらプロデューサーをやられている方というのは、正直あまり見当たりません。全体から考えると、一部の人のみしか生き残れないんだろうなと感じます。とは言え、某T社みたいに超大企業でも何があるかわからないこのご時世、それにこだわることにどれだけ価値があるのかとも思います。
どちらにせよ自分の場合は、会社が安泰で存続し続けていたとしても、自分がやりたくないことをやることで精神衛生的に悪い状況に追い込まれていたので、会社の安定はもはや意味を持たなかったです。会社は安定かもしれないけど、俺が不安定だよ!って(笑)
結論を言えば、①も②も転職前にリサーチはしていたので、予測の範囲内でした。転職で得たものと比べてしまえば、転職後これらを不満に感じたことはありません。
【現在の悩み・考えること】
自分の中では漠然と人生の二大目標みたいなのがあって、これだけ達成できれば死ぬとき後悔しないかなみたいな。それは
●作品を残す
●子孫を残す
です。要はこの世に何かを残したいと感じているんですね、安直。
その意味で現状を鑑みると、仕事ではチャンスが巡ってきて、プライベートでは彼女もできて、願ったり叶ったりじゃないかと、まぁそうなんですが、それでも悩むことはあります。
それは状況の変化によって、求めるものが変わってくるということです。状況の変化とは、自分にとってはやはり大切な存在(彼女)ができたということです。もうアラサーってこともあって、自分一人の人生のことだけを考えていて良いのだろうか、という疑問が最近の悩みです。
■前の会社のような大企業にはもう戻れないとしても、少しでも安定した会社に入って着実に人生を歩んでいくべきじゃないだろうか。
■本当にお前はその他の諸々を犠牲にしてもアニメを作り続けたいのか。
ということを、現在1ヶ月間の休み中なので、自問したりしています。
【今後どうしていくか】
ただ、せっかく1年後には演出をやるチャンスが巡ってくるので、今はまずそこへ目がけて進んでいくことかなと思っています。やってもないのにできるかどうかはわからないので。その後のことは、実際にやってみてから考えても遅くはないかなと。
1年半前、何も知らないところから制作進行としてスタートして、そうしたらなんとか続いていて、気が付いたら次のステップも見えてきている。同じように演出やってみても、案外トントン拍子でうまくいくかもしれないし。
最近読んだ本の中で、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏の言葉が心に残ったので、それを引用してまとめとしたいと思います。
■最近は、テレビやインターネットを通して、どんな情報でもすぐに手に入ります。それは決して悪いことではないのですが、体験したこともないのに、それでわかったつもりになってしまっていることが問題です。「知っていることと」と「理解していること」は全然違います。詳しく調べたりするより、ひとつでも実際にやってみることです。
■精神的にひきこもっている人も多いのでしょう。それじゃあ、人生面白くない。一歩踏み出してみたら、案外うまくいくかもしれない。