Q.「写真入れるやつ」ってなんのこと?家電量販店員の傾向と対策
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こんにちは。同時並行で行う作業が苦手な「ぬ」です。
今回は初めてポケモンに一切触れない記事です。
家電量販店というのはヤマダ電機とかエディオンとか、そういうお店のことです。電気屋さんですね。
僕は学生時代ずっと家電量販店でアルバイトをしていたのですが、お客様から質問を受けることが多々ありました。
お客様の疑問にお答えするのは店員の務め。熱心に耳を傾けるのですが、お客様というのは往々にして何を言っているのかよく分からないものなのです。
そこで販売員はお客様が何を得たいのかを推理し、引き続き詳細を聞いたり質問をすることで正解にたどり着くのです。
今回は、お客様からの珍質問に対して家電量販店員が用意すべき答え、というのをテーマに書いていきます。
来年から家電量販店で販売員をする予定の新社会人必見ですね。
Q.「写真いれるやつ」
( ^o^)<イラッシャッセー
( ಠωಠ )<なぁ兄ちゃん、写真入れるやつどこあるん?
このパターン。お客様は商品の売り場をお探しのようですが、何を探しているのかが不明瞭です。
あなたがこう質問されたら、どの商品の売り場を案内しますか?
SDカード
大本命SDカード。
お客様がデジカメ、もしくはAndroidのスマホで撮影した写真を保存したいときはコレですね。
しかしSDカードの売り場をただ案内するだけでは三流販売員です。
- お客様が使っている機器はどの容量からどこまで対応しているのか
(世の中には意外にも2GBまでしか対応していないデジカメが未だに流通している※1)
- 動画を撮影する機会はあるのか
(クラスに関する説明が必須である※2)
- そもそもSDカードなのかmicroSDカードなのか
(microSDのSD対応アダプタに関する説明も加えるのが無難)
などなど。ここまで聞き込みをして商品を紹介しなければのちのちトラブルになりかねません。
単価の割に説明量の多い商品なのです。
また、SDもminiSDもmicroSDも全てまとめてSDと認識しているのに、SDHCやSDXCはSDカードと別の何かと捉えられることが多いです。(※3)
購入後にパッケージの表記に気付き、「間違って購入したかもしれない」という不安を抱かせないためにも、事前の説明が必要です。
※1.ひと昔前の機器には2GBまでしか対応していないものが多い。使用中の製品の購入時期を聞き、怪しいかどうかを確認する必要がある
※2.全てのSDカードはデータの転送速度が遅いものから順にクラス2,4.6,10でランク付けされている。動画を撮影するとなると最低でもクラス6が推奨されている。
※3.SDカードは容量によってSD,SDHC,SDXCの三種に分類されている。32GBまで対応=SDHC対応。
また、SDカードなどを紹介しているときによく聞かれるのが「TDKっていうメーカーの商品が安いけど、これって日本のメーカー?」というような質問。(※4)
特にご年配の方は国産製品への信仰が厚く、そこを気になさることが多いです。
※4.TDKは東京に本社を置いていてる電子機器の製造・販売メーカーで、設立当時の社名は「東京電気化学工業株式会社」です。社長も日本人です。
どこのメーカーだろうと生産国が日本なんてことはまずない上に、全ての部品が純国産の家電なんていうものは存在しえないのできちんと説明しましょう。
USBメモリ
こちらも王道。お客様の言う「USB」は9割強USBメモリのことを指しています。
こちらはSDと違い2.0と3.0の違いくらいしか説明することもないので楽ですね。(※5)
学校やパソコン教室で使用されるのか、定期的にまとまった数が出ていきます(電気屋さんあるある)
※5.USBメモリの規格で、3.0は2.0より転送速度が速い。USB3.0は対応している機器で使用しないと2.0同様の性能しか出せないので要注意
CD-R
変わり種CD-R。CDは音楽を入れるだけのメディアじゃないんですよ。
こちらはかなり曲者で、まず音楽用とデータ用の2種類。(※6)
そしてCD-RとCD-RWの2種類があります。(※7)
※6.説明すると長くなるので、市販のCDをコピーしたりするのなら音楽用を選ぶのが無難、それ以外の用途はデータ用と捉えてください
※7.CD-Rは一度書き込んだデータの編集や削除ができない。CD-RWは上書きや削除が可能
これがまた説明することが多い上に、お客様の勘違いによる誤購入がとても多い。
そして初期不良品も少なくなく、データ用CDに音楽をコピーして「オーディオで再生できないから返品したい」と言われるケースも多々あるので本当に厄介な商品です。
その上かさばるので売り場における商品展開や棚卸が面倒、なおかつ見た目が似ている商品が山ほどあり何かと面倒なのである。こんな欠陥メディアが業界の覇権を握っているのが許せねぇ…
アルバム
急にアナログな話になりますが、電気屋さんは結構アルバムも置いてます。カメラを売っているんですから、おかしな話ではないですね。
アルバムのことを「写真入れるやつ」って言ってこないでしょ(笑) という声も一定数聞こえてきそうですが、写真をデータで保管しない人からすれば、写真を入れるものと言えばアルバムなのです。
接客業をしていると本当に人は千差万別、様々な考え方や文化の人がいるんだなぁと感じます。
ありとあらゆる人に対応するのは難しくても、誠意と真心をもって接したいですね。
プリンターの袋
電気屋さんに置いてあって1枚30円ほどで印刷ができるコレの袋。
忙しいとついつい補充し忘れてしまうんですよね。
これもまたまごうことなき「写真入れるやつ」です。お客様が求めているのは商品案内だけではないということです。肝に銘じましょう。
さいごに
長くなりましたがおしまいです。
前述のとおり、何を言っているのか分からないお客様は少なくないです。
電気屋さんはそんなお客様から言葉を引き出し、耳を傾け、汲み取る努力と、接客の経験を積みましょうというお話でした。
次回、「Wi-Fi壊れたんやけど」編
気が向いたら書きます。ありがとうございました。
2017.01.22 ぬ