アニメ初心者におくる。アニメの入口5選【その4】ラノベ原作の一大ヒット作 ~化物語~

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おはようございます、あいたんです。更新が遅れ気味ですが、まぁ気長に続けていきます。
 

大ヒット作!アニメ『化物語』

今日紹介する『化物語』。とりあえず”ヒット作”とタイトルをつけてはみましたが、いったいどれくらいヒットしたのか。こちらは歴代アニメBD/DVD売上まとめになります。VHSなどは含まれていないようなので、過去のアニメとの単純な比較はできませんが、近年放送されたTVアニメの中では図抜けた人気作であることがわかります。これを紹介しないわけにはいかないでしょう。
 
歴代アニメBD/DVD売上ランキング
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今回はそんな本作の魅力に迫っていきたいと思います。
(以下、できる人は阿良々木暦の声で脳内再生してみてね)
 
 

個性的なキャラクター達が繰り広げる会話劇

一見すると本作は、かわいい女の子たちが次から次へと登場し、主人公阿良々木暦がハーレムを形成するという、基本構造はまさに典型的なライトノベルのそれだと言っていい。一見しただけでは、『化物語』は何故これほどのヒット作になったのか、すなわち、西尾維新による本作はその他のラノベといったいどこが違ったのか、ということがわからない。一見しただけではわからないが、一読すればあるいはわかるかもしれない。
 
本作とその他の作品の違いを語る上で、忘れてはならない特徴を一つ上げるならば、物語全体に対して占める会話シーンの割合が高い、つまりは会話劇的であるということだ。個性豊かな、普通とは違った、常人からすると頭のネジが一つどころか二つも三つも飛んでしまったような、非凡なキャラクター達による会話というのが、これでもかと遠回りをするような言い回しで展開される。その一風変わった表現というのが、普通とは異なるその部分が、「ちょっと普通と違ってる俺かっこいい」みたいな感覚をくすぐって、結果大勢から支持を得るに至ったのだろう。
 
しかし、アニメーションで会話劇をやろうというのは少々、いや、相当に難題であったはずだ。会話劇というのは、文字通り”会話の劇”であるのだから、それをシンプルに映像化しようとすれば、当然派手なアクションシーンもなければ、舞台にも変化がなく画面も変わり映えしないわけで、ともすれば映像的に価値の低い作品になりかねない。要するに、簡潔に言えば、見ていて退屈なものになってしまうのだ。
 
 

シャフト・新房昭之監督による飽きさせない演出

そんな、下手をしたらつまらないアニメになっていたかもしれないアニメ『化物語』が、下手をしなくても普通に撮っていたら多くの原作ファンの反感を買ってしまったかもしれない本作が、どのようにしてその危機を免れヒット作になったのか。その理由を紐解く鍵は、カット数の多さにある。自ら数えたわけではないのだけど、こちらのブログ(モニターの中の映画館)によれば、本作のある回のカット数が500ほどあったようである。これは、TVアニメ1話分の、つまり20数分のアニメーションにおいて、300~350カットが一般的と言われている現代のアニメ事情からすれば、驚くほど多い数だ。平均すると、2.4秒に1度画面が切り替わる計算になる。
 
キャラクター同士の会話は、それぞれが小説をそのまま朗読しているかのような、一定のテンポを保とうとしているかのような、淡々とした口調で行われる。それに反して、と言うより、映像作品としては間の持たないその不完全な会話を補うように、映像は、カットの切り替えによって緩急がつけられている。1話序盤の阿良々木・羽川の会話シーンに着目してみよう(化物語1話 ニコニコ動画)。二人の登場人物がただ会話をするだけというシーンに、これだけの多様な画面を、時間的にも長短織り交ぜながら演出しているのだ。しかも、これでもその全てではなく、印象的なカットを抜粋したにすぎない。
 

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③④のような、文字だらけで情報量はやたら多いものの、それを視聴者に読ませようという意図はないであろう意味深なイメージカット、または⑦⑨⑩⑪のような、特に会話の内容とは関係のないものを映したカットをテンポよく挿入し、切り替えて、視聴者がつまらなくならないように工夫がなされている。その間4分とは言え、これほど細かくカットを割るというのは他のアニメではまず見られない。”他のアニメでは”、というより、おそらく実写ではなおさらこんな手間のかかる演出はしないだろうから、その他映像作品においてなかなか見られない、と言えるかもしれない。
 
実写と言えば、話は変わるが、本作にはこのような実写カットも登場する。
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こちらは2話のカットであるが、戦場ヶ原の回想や思い出したくない過去を描写する際に用いられており、この他にも人間の目元のアップや気味の悪い人形などをコラージュした、アニメを見ているつもりの視聴者にとってはあまりに唐突で異質な、一瞬ゾッとなってしまうような実写カットも見られる。この方法は、エキゾチック感を出すことによって戦場ヶ原の過去の異質さを演出すると同時に、これもまたインパクトを与えることにより会話シーンを飽きさせない工夫と言える。
 
その他、シャフト×新房作品によく見られる演出として、シャフト角度(ニコニコ大百科)と言われるあごを上げて見下ろすようなポーズがある。画像の戦場ヶ原を見る限り、およそ人間としてあってはならないほうに首が曲がっているような気もするが、よくよく考えてみればこの人は、人間ではあるが平然と人間離れした行動を取ることがままあるので、そこを気にしてしまうのは野暮というものだろう。こういった演出もやはり固定された画面を退屈させないために、キャラクターに一風変わった目を引く演技をさせようという意図が見てとれる。
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以上が、会話劇を飽きさせないための、『化物語』におけるシャフト・新房演出の要綱である。
 
 

あとがき

今回の記事では西尾維新を意識して(厳密には本物を意識したわけでは全くないのだけど)、とにかく読点を打ちまくって徹底的にくどい文章にしてやろうと思いました。
その結果、西尾維新というよりただのクソ読みづらい記事ができあがりました。気付いたのですが、このような遠回りに遠回りを重ねるような文章を書くとストレス発散になって最高にスカッとします。その代わり読んでいただいた皆さんにはストレスを与えてしまったやも知れません。ここにお詫び申し上げます。このようなことは今回限りですのでまた記事を読んでくださいね 笑
ちなみに最後にポロッと一番大事なことを言います。筆者は神原駿河推しです。
 

このアニメを気に入った人に見てほしいその他の作品

シャフト×新房作品から毛色の異なる作品をいくつかチョイスしてみました。
「魔法少女まどかマギカ」
「ささみさん@がんばらない」
「ひだまりスケッチ」
化物語(上)

化物語 Blu-ray Disc Box

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